鈴木のブログ

読書メモとして。

2019-01-01から1年間の記事一覧

金惺潤「不動産投資市場の研究―1992年から2011年の市場変遷と投資行動の二十年史」

タイトルのとおり、1992年から2011年にかけて、日本の不動産投資市場はどのように変わってきたか、様々な不動産流動化プレイヤーの動きを追いながら描く。600ページを超える大作である。 本書は80年代バブル後から、不動産流動化をキーワードに各プレイヤー…

片山善博・糸賀雅児「地方自治と図書館」

「市民の自立支援に向けて図書館や司書が果たすべき役割と可能性について、鳥取県知事・総務大臣を務めた地方自治の泰斗片山と、図書館政策論の第一人者糸賀が、地方自治、地域づくりの観点から縦横に論じ合う」本。 図書館の在り方については、最近では武雄…

曽我謙悟「日本の地方政府ー1700自治体の実態と課題」

新書という限られた分量の中で、複雑な「日本の地方政府」を非常に幅広い視野で語ることができている、タイトルに見合うだけの書籍であると感じた。 「日本の地方政府」という幅広なタイトルだが、これは大森彌・佐藤誠三郎編の「日本の地方政府」(1986年発…

木下誠也「公共調達解体新書」

本書では、我が国の公共調達制度の歴史が概観されている。以下簡単にまとめておく。 我が国の公共調達制度の出発点ともいえる明治会計法は、1889年に公布、1890年に施行された。 明治会計法は、私利非行による価格のつり上げを防止する観点から、西洋諸国の…

前田健太郎「市民を雇わない国家―日本が公務員の少ない国へと至った道」

「日本の公務員数はなぜ諸外国と比べて少ないのか」を分析した本。 そもそも日本の公務員数は諸外国と比べて少ないのか。 人事院によると、2013年度の日本の公務員数は339.3万人であり、人口の3%を占めめているに過ぎない。「公務員」の定義を最大限に広げ…