鈴木のブログ

読書メモとして。

木下誠也「公共調達解体新書」

本書では、我が国の公共調達制度の歴史が概観されている。以下簡単にまとめておく。 我が国の公共調達制度の出発点ともいえる明治会計法は、1889年に公布、1890年に施行された。 明治会計法は、私利非行による価格のつり上げを防止する観点から、西洋諸国の…

前田健太郎「市民を雇わない国家―日本が公務員の少ない国へと至った道」

「日本の公務員数はなぜ諸外国と比べて少ないのか」を分析した本。 そもそも日本の公務員数は諸外国と比べて少ないのか。 人事院によると、2013年度の日本の公務員数は339.3万人であり、人口の3%を占めめているに過ぎない。「公務員」の定義を最大限に広げ…

日高昭夫「基礎的自治体と町内会自治会―『行政協力制度』の歴史・現状・行方」

行政学の視点から、町内会自治会について分析した本。 「町内会自治会」は、全国のほとんどの地域に存在している。全国で、なぜ似たような(しかし実際の運用には様々なバリエーションがある)制度が形成されたのか。 近代的地方自治制度の出発点は、1888年…

デービッド・アトキンソン「新・観光立国論」

外国人観光客数の増加が著しい昨今、国から自治体まで、どこもかしこも「観光、観光」と言っているような気がするが、その観光政策について、日本がとるべき方策を述べた本。著者は元ゴールドマンサックスのアナリストで、データに基づく指摘は簡潔で説得力…

新川敏光「同心円でいこう 田中角栄」

「田中政治の軌跡を辿りながら、戦後民主主義を再考する」目的から書かれた一冊。エピソード豊富でかなりのボリュームがあるが、以下、目についた記述をメモ的に記載する。 まずは生い立ち。新潟で産まれた角栄は、家社会の価値観がしみ込んだひ弱な、神経質…

鈴木智彦「サカナとヤクザ」

「サカナとヤクザ」という直球のタイトルに魅かれて購入。 アワビやナマコ、ウナギといった水産物をめぐる密漁、密輸等々、「裏」の世界のルポは緊張感があって非常におもしろかった。 そもそも日本の漁業は、漁獲規制が緩すぎて資源管理ができていないため…

植田和男・内藤滋編著「公共施設等運営権」

最近いくつか実例がでてきた「公共施設等運営権(コンセッション)」について、その制度概要を概説した書籍。 「公共施設等運営権」とは、いわゆるPFIの一種であり、公共施設等の運営をノウハウを持つ専門会社・専門家に任せることにより、その人材や経験、…

山崎拓「YKK秘録」

「YKKは友情と打算の二重奏」。加藤の乱失敗後の小泉の言葉が、YKKというものの性格を簡潔に表しているように思う。 本書はYKKの一人である山崎拓が、YKKの誕生から終焉までを回顧したもの。 YKKの誕生は1991年。加藤紘一が山崎に「党のこと、国家のことを腹…

林望「謹訳源氏物語 七 改訂新修」

林望「謹訳源氏物語改訂新修」の第7巻を読了。 源氏物語は学生時代に与謝野晶子訳を途中まで読んで挫折していたものの、最近になってこの林氏の訳を書店で見つけて読んでみたところ、非常に読みやすく、どんどん読み進めることができた。つい先日7巻が発売…

饗庭伸「都市をたたむ―人口減少時代をデザインする都市計画―」

饗庭伸「都市をたたむ―人口減少時代をデザインする都市計画―」を読んだ。 先日読んだ「新築がお好きですか?」で参考文献として挙げられていた一冊。 本書は都市を「『豊かな生活をしたい』という目的に対する『手段』の集合体」と位置づけ、我々の目的のた…

砂原庸介「新築がお好きですか?―日本における住宅と政治」

砂原庸介著「新築がお好きですか?―日本における住宅と政治」を読んだ。 「『持家社会』は、日本においてなぜ形成されてきたのか。」と冒頭にあるとおり、「制度」面から日本の住宅事情(?)を明らかにするもの。 まちづくりを考えるためにも日本の住宅政策…